口臭は、いろいろなことが原因で生じるものですが、その中でも「歯周病」に関しては要注意です。歯周病では独特な臭いが生じるだけでなく、歯やお口の健康まで著しく害するおそれがあるからです。今回はそんな歯周病が原因の口臭と自宅で出来る対策について、円町のたかはし歯科医院が詳しく解説しました。

▼そもそもなぜ歯周病は臭いの？

歯周病で口臭が強くなる理由は、科学的に証明されています。まず、歯周病になるとP.g菌に代表される歯周病菌が繁殖します。歯周病菌は、お口の中にあるタンパク質をエネルギー源として生命活動を営み、その過程で「メチルメルカプタン」という特殊なガスを作り出すのです。

それは歯周病菌が何らかの目的を持って作り出しているわけではなく、エネルギーを作る過程で生じる副産物のようなものなので、メチルメルカプタン自体がお口の健康を大きく害することはありません。ただ、このメチルメルカプタンは“腐った玉ねぎ”のような臭いを放つため、周囲の人に不快な思いをさせてしまうというデメリットは伴います。

▼歯周病による口臭の対策

◎自宅で出来る対策

歯周病による口臭は、お口の中を清潔に保つことで対策できます。まず意識すべきは歯垢の除去です。歯垢は細菌の塊であり、その中には歯周病菌も含まれているため、歯垢を自宅での歯磨きでしっかり取り除くことで、歯周病による口臭も徐々に弱まっていくことでしょう。歯磨きは、毎食後に行うとさらに効果的です。お口の中が汚れている時間が長いほど、歯周病菌の活動も活発になるからです。ちょっとした間食をした際もお口の中をリフレッシュするよう努めてください。

◎歯科医院で出来る対策

歯周病による口臭が認められる場合は、必ず歯科での治療を受けてください。歯周病はセルフケアだけで完治させることは難しい病気です。自宅での歯磨きを頑張ることで、お口の臭いは一時的に改善されても、歯周病自体は治らないので、歯医者さんでの治療やプロフェッショナルケアを受ける必要があります。歯科医院なら、歯垢が石のように硬くなった歯石もきれいに取り除けます。口臭が出にくくなる口腔ケア方法もブラッシング指導で学べますよ。

▼歯周病は日本人の成人の約8割がかかっている病気？

歯周病は、日本人の国民病と呼ばれるくらい、発症している人が多い病気です。国が調査した結果からも日本人の約8割が歯周病にかかっていると推測できることがわかっています。それならみんなお口が臭いのでは？と思われるかもしれませんが、口腔ケアをしっかり行っている人は、歯周病の症状も安定していますし、細菌の活動も弱くなっていることから、お口の臭いも気にならないものです。そんな日本人なら誰しもがかかる可能性がある歯周病は、口腔ケアを頑張らないと予防や症状の改善も見込めないことでしょう。

▼まとめ

今回は、歯周病が口臭の原因となる理由と自宅で出来る対策について、たかはし歯科医院が解説しました。歯周病による口臭は、上述したセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを合わせることでようやく解消できるようになります。最近、お口の臭いが気になり出したという方は、一度、当院までご相談ください。口臭の原因を突き止めた上で、最善といえる対策法をご提案します。