このブログでも何度か解説してきましたが、セラミック歯による歯科治療は原則として保険適用外となります。セラミック歯には、保険の銀歯やレジン歯にはないメリットがたくさんあるので、自費診療となる理由も何となく理解できますよね。今回はそんなセラミック歯が保険適用外になる理由について、円町のたかはし歯科医院が詳しくご説明します。
▼レジン歯や銀歯でも十分な治療が受けられる?
セラミック歯が保険適用外になる理由は、“オーバースペック”だからです。虫歯や外傷などで失った歯質を回復させる場合、保険のレジン歯や銀歯でも十分な結果が得られます。それにもかかわらず、より高価な材料を使って審美性・機能性・耐久性の高さを求めるのであれば、保険適用外の治療法を選択してください、というのが今の国の考え方なのです。
確かに、優れた治療法だからといって、すべてに保険を適用していたら、いくら予算があっても足りませんよね。とくに今は医療費がかさんでいることが国の大きな課題ともなっているため、セラミック歯にまで保険適用を広げることは難しいのです。それでもなお国は努力をしてくれていて、最近では「CAD/CAM冠(キャドキャムカン)」というハイブリッドセラミックを使った被せ物の保険適用の範囲が広がっています。
▼セラミック歯が保険適用外となるゆえん
セラミック歯には、以下に挙げるようなたくさんのメリットを伴うことから、保険適用外となっているといっても間違いではないでしょう。いずれも保険のレジン歯や銀歯にはない特長です。
◎見た目が天然歯そっくり
セラミック歯の見た目は天然歯そっくりです。色調から光沢、透明感に至るまで、天然歯しか持ちえない特徴をセラミック歯なら忠実に再現することが可能なのです。同じ白色材料のレジン歯と並べてみると、その違いは歴然です。保険診療で、そこまで高い完成度を求めるのは過剰であるともいえるでしょう。
◎寿命は長いけれど、修理が難しい
保険適用のレジン歯は、早ければ1~2年で劣化が進みます。黄ばみや黒ずみが目立つようになり、天然の歯質との境目もはっきり見て取れるようになります。摩耗によって装置が変形すると、歯としての機能にも支障をきたします。保険で使用できる安価な材料としての限界ですね。ただ、レジンは修理や再治療がしやすいという極めて大きなメリットを伴います。経年的な変色が起こったとしても、比較的簡便に修理できるのです。一方、セラミックは10年経っても美しい状態のまま使い続けることが可能ですが、何かの拍子に欠けたり、割れたりすると、再治療を余儀なくされます。レジンのように気軽に材料を盛り足すようなことはできないのです。この点もまたセラミック歯が保険適用外になる理由のひとつといえるでしょう。
▼まとめ
今回は、セラミック歯が保険適用外になる理由について、たかはし歯科医院が解説しました。おそらく、セラミック歯が保険適用外となることについて、不満を持っている人はほとんどいらっしゃらないかと思います。それくらいセラミック歯というのは優れた人工歯なので、全額自己負担となったとしても仕上がりに満足できる治療法となっています。また、自費診療のセラミック歯とは少し異なりますが、保険診療でも「CAD/CAM冠」というセラミック歯を使える場合があります。関心のある方はお気軽に当院までご相談ください。