虫歯は、特徴的な初期症状が現れる病気です。一般の人からすると「本当にこれが虫歯なの?」と疑問に思うような症状なので、気付かず見過ごしているケースも多いです。そこで今回は虫歯の初期症状とそれを修復するための習慣について、円町のたかはし歯科医院が詳しく解説します。
▼虫歯の初期症状について
◎歯面に白いシミができる
虫歯の初期症状は、歯の表面に白いシミとして現れます。専門的には「白斑(はくはん)」とか「白濁(はくだく)」と表現されるもので、一見すると歯垢のように見えます。そこで歯面に白いシミが認められたらまず歯ブラシや爪ようじなどでこすってみてください。それでもし白い汚れが取り除けたら、歯垢や食べかすであると判断できます。機械的な清掃で拭うことが出来なかったら、おそらくそれは虫歯の初期症状でしょう。歯の表面に穴があいていなければ、ほぼ間違いなく初期虫歯の「CO(シーオー)」といえます。
▼虫歯で白いシミができるのはなぜ?
虫歯になると黒ずみが生じるのが一般的ですよね。これは虫歯菌が産生した酸で溶かされた象牙質がやわらかくなり、そこに色素が沈着するからです。一方、初期の虫歯ではまだ歯の表面は溶かされておらず、歯質の内部で脱灰(だっかい)現象が始まっています。これを「表層下脱灰(ひょうそうかだっかい)」と呼び、光の反射の仕方が変わることから白いシミのような見た目となります。歯の表面に穴はあいていなくても、内部では歯質の溶解が始まっているので、やがては普通の虫歯と同じ症状が現れます。
▼初期虫歯には修復が必要です
このように、初期の虫歯では歯の中で破壊が進んでいるため、修復する必要があります。その際、有効なのが次に挙げる3つの習慣です。
◎フッ素入り歯磨き粉を使う
表層下脱灰が始まった歯質に対しては、フッ素による再石灰化(=修復)が有効です。フッ素入りの歯磨きを使って毎日ブラッシングすることで、初期虫歯の修復を行えます。市販の歯磨き粉には最大で「1,500ppm」までのフッ化物が配合可能となっているので、その値に近い歯磨きを選ぶと良いですよ。
◎歯科のフッ素塗布を受ける
歯医者さんで受けることができるフッ化物の歯面塗布は、虫歯の初期症状を改善する上で最も有効な手段といえます。なぜなら、フッ素塗布で使用するジェルには「9,000ppm」のフッ化物が配合されているからです。そんなフッ素塗布を3ヵ月に1回受ける習慣を身に付けることで、初期虫歯の修復も促進されます。
◎唾液をたくさん出す
唾液には、初期虫歯による脱灰を修復する作用が期待できます。私たちの唾液には、歯の構成成分であるリン酸やカルシウムが豊富に含まれているため、普通に生活をしていても歯を修復してくれるのです。ただし、口呼吸や喫煙などが習慣化していると、唾液による作用が減少してしまいますので十分な注意が必要です。唾液の分泌は食事の際によく噛んだり、キシリトールガムを噛むことを習慣づけたりすることで促されます。
▼まとめ
今回は、虫歯の初期症状とそれを修復するために身に付けるべき習慣をたかはし歯科医院が解説しました。本文で取り上げた3つの習慣に加え、歯科医院でのクリーニングやスケーリング(歯石除去)を受けることで、初期虫歯の進行は止められます。いずれにせよ歯の表面に白いシミが認められたら、まず当院までご相談ください。初期虫歯と診断した場合は、進行を止めるためのお手伝いをさせていただきます。