セラミック歯は、見た目も機能も優れた人工歯です。装置の寿命としても長く、10年以上美しい状態を保つことも十分可能なのですが、治療後のメンテナンスを怠ると、思いもよらない不具合などが生じかねません。そこで今回は、セラミック歯を入れた後の適切なメンテナンス方法について、円町のたかはし歯科医院がわかりやすく解説します。
▼セラミック歯はケアしやすい人工歯
セラミック歯は、表面が滑らかで、経年的な劣化が起こりにくい材料であることから、食べかすや歯垢が付着しにくいです。レジン歯や銀歯のように、気付いたら歯垢・歯石が堆積していたということもほとんどないでしょう。ただ、ケアしやすいという点が裏目に出て、普段の歯磨きを疎かにしてしまうことも珍しくありません。あるいは、不適切なブラッシングでセラミック歯の表面に無数の傷ができて、いつの間にか汚れが付きやすい状態に劣化してしまうこともありますので十分ご注意ください。
▼セラミック歯のメンテナンス方法
◎歯科医院でのメンテナンス
セラミック歯は、天然歯と同様、3ヵ月に1回くらいの頻度で歯科のメンテナンスを受けると良いです。歯科のメンテナンスでは、セルフケアで落とすことが難しいバイオフィルムや歯石、ステインなどを安全な形で除去できます。クリーニングで研磨する際もセラミック歯を傷付けないよう、細心の注意を払ってくれるはずです。また、歯科医院でのメンテナンスでは、セラミック歯の適切なセルフケア方法についても学ぶことができます。
◎自宅でのメンテナンス
セラミック歯の自宅でのメンテナンスは、インプラントやブリッジといった補綴装置と比較するとシンプルといえるでしょう。基本的には天然歯と同じようにケアをします。前段でも触れたように、セラミック歯は硬い歯ブラシでゴシゴシと磨くと傷が付いてしまう場合があるため、その点だけは十分に注意しましょう。また、セラミック歯自体は虫歯になることはありませんが、その下の天然の歯質は細菌に侵されるリスクがあります。セラミック歯のメンテナンスおよびケアが不十分だと、歯とのすき間に細菌が入り込んで虫歯が再発してしまいます。
▼セラミック歯のメンテナンスにフッ素は有効?
歯科の定期検診・メンテナンスというと、高濃度のフッ素ジェルを使った予防処置が有名ですね。フッ素は歯の再石灰化を促すことで虫歯リスクを低下させますが、セラミック歯にも効果があるのでしょうか?結論からいうと、セラミック歯にフッ素を作用させても効果はありません。フッ素による再石灰化作用の促進が期待できるのは、あくまで天然のエナメル質と象牙質であり、陶材であるセラミックでは何も起こらないのです。
だからといって歯科医院でのメンテナンスでフッ素塗布を受けたり、毎日のブラッシングにフッ素入り歯磨き粉を使ったりすることが無駄になるわけではありません。当然ですが、お口の中にはセラミック歯以外にも天然歯がたくさんありますよね。とくに詰め物タイプのセラミック歯は、その周囲が天然の歯質なので、フッ素による虫歯効果が十分に期待できます。
▼まとめ
今回は、セラミック歯を入れた後のメンテナンス方法について、たかはし歯科医院が解説しました。セラミック歯も定期的なメンテナンスが必須となっておりますので、治療後も欠かさず歯医者さんに通うようにしましょう。